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肩の骨(上腕骨近位部)を骨折したあと、やってはいけない動きは?自宅での注意点を理学療法士が解説

「肩の骨(上腕骨)を骨折したあと、腕をどう動かせば安全なのか」「気づかないうちに、やってはいけない動きをしていないか」——上腕骨近位部骨折(肩に近い腕の付け根の骨折)のあと、こうした不安を抱える方やご家族は少なくありません。転倒で手をついたり肩を打ったりして起こりやすく、高齢の方に多い骨折のひとつです。

この記事では、肩の骨折後に自宅で気をつけたい「やってはいけない動き」を、理学療法士がわかりやすく整理します。回復には個人差があり、動かしてよい範囲や時期は、骨折の型・手術の有無によって大きく変わります。実際の制限は必ず主治医の指示を優先してください。

なぜ「やってはいけない動き」を知ることが大切なのか

肩に近い腕の付け根の骨は、腕を上げる・回す動きの土台になっています。骨がつく途中の時期に無理な力が加わると、ずれが大きくなったり、回復に時間がかかったりすることがあります。だからこそ「どこまで動かしてよいか」を知っておくことが、あわてて再受傷を招かないための第一歩になります。

肩の骨折後、やってはいけない主な動き

以下は一般的に注意が必要とされる動きです。制限の程度は人によって異なりますので、あくまで目安としてお読みください。

  • 許可が出る前に腕を高く上げる・大きく回す:勢いをつけて腕を挙げる動きは、骨がつく途中の部分に負担をかけやすい動作です。
  • けがをした側の腕で重い物を持つ・引く:買い物袋を持つ、手すりを強く引くなどは、早い時期は避けたい動きです。
  • 腕を体の後ろに強く回す:エプロンのひもを結ぶ、背中に手を回す動作は負担が大きくなりがちです。
  • けがをした側の手や腕をついて起き上がる・立ち上がる:体重を腕にかける動きは避けましょう。
  • 三角巾やサポーターを自己判断で外す:装具は腕を守る役割があります。外す時期は指示に従いましょう。
  • 痛みを我慢して動かし続ける:強い痛みは「今は負担が大きい」というサインのことがあります。

腕の動きは「段階的に」が基本

肩の骨折後は、三角巾などで腕を安静に保ちながら、動かしてよい範囲を段階的に広げていくのが一般的です。「最初は肩を動かさず、経過をみて少しずつ挙げる練習を」といった形で、担当の医師や理学療法士が状態を見ながら進めます。大切なのは、自己判断で段階を飛ばさないこと。決められた範囲の中で、こわばりを防ぐやさしい動きを続けることが、その後の生活のしやすさにつながっていきます。

自宅での生活動作の工夫

  • 着替え:袖を通すときは、けがをした側の腕から先に通し、脱ぐときは最後に。前開きの服だと負担が減ります。
  • 食事・整容:早い時期は反対の手で行う工夫を。無理に両手を使おうとしないことが大切です。
  • 寝る姿勢:あお向けで腕の下にクッションを入れると安定しやすくなります。けがをした側を下にして寝るのは避けます。
  • 入浴:洗体や洗髪は反対の手で。浴室は滑りやすいので、手すりや滑り止めを使い、腕をつかないように注意します。

再受傷・転倒を防ぐために

肩の骨折は転倒で起こることが多く、再び転ぶとさらに大きなけがにつながりかねません。腕が使いにくい間は特にバランスを崩しやすいので、段差の解消や明るい足元など、住まいの環境を整えることも転倒予防に役立ちます。焦って腕を動かしすぎるのも、こわがって全く動かさなさすぎるのも避けたいところ。決められた範囲で少しずつ——この積み重ねが、安全に生活を取り戻す近道です。

こんなときは医療機関へ

次のような変化があるときは、自己判断で様子を見ず、早めに医療機関へご相談ください。

  • 肩や腕に強い痛み・腫れ・熱をもった感じが続く、または急に強くなった
  • 腕にまったく力が入らない、指の動きが悪い
  • 手や指の色が悪い、しびれが強い、感覚が鈍い

自宅で安全に進めたい方へ

「どこまで腕を動かしてよいかわからず、こわくて動けない」——そんなときは、専門職と一緒に進めると安心です。Avensは、病院で現役の臨床に立つ理学療法士がご自宅にうかがい、主治医の指示をふまえながら、その時期に安全な動き方を一緒に確認していく自費・保険外の訪問リハビリです。介護保険のような回数・時間の制限はありません。

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よくある質問

Q. いつから腕を上げる練習をしてよいですか?

A. 腕を動かしてよい時期や範囲は、骨折の型や手術の有無、骨のつき具合によって大きく異なります。三角巾で安静を保つ時期のあと、段階的に広げていくのが一般的です。時期には個人差がありますので、自己判断せず主治医や担当の理学療法士の指示に従ってください。

Q. けがをした側の腕で家事をしてもよいですか?

A. 早い時期は、けがをした側の腕で重い物を持ったり力を入れたりするのは避け、反対の手で行う工夫が安心です。どの程度使ってよいかは回復の段階によって変わりますので、受診時に確認しながら少しずつ進めてください。

執筆

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断や治療を行うものではありません。症状には個人差があり、痛み・急な変化・強い不安がある場合は、医師や医療機関にご相談ください。

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