人工股関節の手術(人工股関節置換術)を受けて退院されたあと、「家でどう動けばいいの?」「また脱臼しないか心配」「どこまで動かしていいのか分からない」と不安を感じる方は少なくありません。手術によって痛みがやわらぎ、動きやすくなる方が多い一方で、生活の戻り方や注意点には個人差があります。
この記事では、人工股関節の手術後に自宅で気をつけたい動作や、無理なく続けられるリハビリの考え方を、理学療法士の視点でわかりやすく整理します。
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人工股関節の手術後、自宅での過ごし方が大切な理由
人工股関節の手術後は、入院期間が以前より短くなる傾向があり、まだ動きに不安が残るうちに自宅へ戻る方も増えています。退院は「回復のゴール」ではなく、ご自宅での生活を取り戻していくスタートでもあります。
手術で痛みが軽くなっても、入院中に低下した筋力やバランスは、生活の中で少しずつ取り戻していく必要があります。自宅での過ごし方や運動の習慣が、その後の歩きやすさや生活のしやすさを支える土台になります。回復の程度には個人差がありますので、主治医の指示を確認しながら、無理のない範囲で進めることが大切です。
手術後に気をつけたい動作(脱臼を防ぐために)
人工股関節の手術後にとくに大切なのが、脱臼を起こしにくい動き方です。避けたい姿勢(脱臼肢位)は手術の方法(前方・後方などのアプローチ)によって異なりますので、必ず主治医や担当の理学療法士の説明に従ってください。一般的に注意されることの多い動作には、次のようなものがあります。
- 股関節を深く曲げる(低い椅子・ソファ・床に座る、しゃがみ込む)
- 脚を内側にひねる、足を組む
- 体をひねって後ろの物を取る、横向きで膝を深く抱え込む
これらは一例です。許可される動きの範囲は人によって違うため、自己判断せず、退院時に受けた指導を基本にしましょう。
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自宅でできるリハビリ・運動
痛みや腫れの様子を見ながら、無理のない範囲で行います。物につかまれる安全な環境で、ゆっくり行うことが大切です。
お尻・太ももの筋力を保つ運動
立ち座りや歩行を支えるのは、お尻や太ももの筋肉です。あお向けで膝の下にタオルを入れて軽く押しつぶす運動や、横向きで脚をゆっくり持ち上げる運動などが用いられます。痛みの出ない範囲で、回数より「ていねいに動かす」ことを意識します。
立ち座り・歩行の練習
安定した高さの椅子を使い、手すりやテーブルで支えながら立ち座りを繰り返します。歩行は、退院時に指示された杖や歩行器を使い、平らで安全な場所から始めます。ふらつきが強いときは無理をせず、見守りのある状況で行いましょう。
生活動作の工夫
毎日の動作を少し工夫するだけで、股関節への負担や脱臼のリスクをやわらげることを目指せます。
- 椅子・ベッド・便座は、低すぎないものを選ぶ(深く曲げ込まない高さに)
- 床の物は、しゃがみ込まずマジックハンドなどを活用して拾う
- 靴下や足の爪のケアは、無理にかがまず、自助具や家族の手を借りる
- 入浴は、浴槽のまたぎや滑りに注意し、手すり・シャワーチェアを使う
- 転倒は再手術や骨折につながることがあるため、段差・滑りやすい床・コード類を見直す
こんなときは医療機関へ
次のような変化があるときは、自己判断で様子を見ず、早めに主治医や医療機関にご相談ください。
- 強い痛み・腫れ・熱っぽさが続く、傷の状態が気になる
- 脚の長さの違いや、股関節が外れたような感覚がある
- 足のしびれ・力が入りにくい、ふくらはぎの痛みや腫れがある
不安が強いときも、ひとりで抱え込まず専門職に相談することが安心につながります。
退院後も自宅でリハビリを続けたい方へ
「退院後もしばらく専門的に診てほしい」「家での動き方が合っているか確認したい」——そんなときは、理学療法士がご自宅にうかがう自費の訪問リハビリという選択肢があります。Avensでは、お一人おひとりの状態や生活に合わせて、無理なく続けられるプログラムを一緒に組み立て、退院後の暮らしを支えることを目指します。
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よくある質問
Q. 人工股関節の手術後、いつから歩けるようになりますか?
A. 多くは手術後の早い時期からリハビリを始め、杖などを使って歩く練習を進めます。歩ける時期や回復の程度には、手術の方法・年齢・全身の状態などにより個人差があります。主治医の指示に従い、無理のない範囲で進めましょう。
Q. 脱臼が心配です。日常生活で何に気をつければいいですか?
A. 避けたい姿勢は手術の方法によって異なります。一般には、股関節を深く曲げる・内側にひねる・体をひねって後ろの物を取るなどに注意することが多いです。退院時の指導を基本に、自己判断せず進めてください。
Q. 自宅でリハビリは続けられますか?
A. はい。お尻や太ももの筋力運動、立ち座り、安全な環境での歩行など、自宅でできることは多くあります。手すりや自助具を活用し、転倒に気をつけて続けることが大切です。個人差がありますので、不安なときは専門職にご相談ください。
執筆
最終更新:2026年6月14日
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断や治療を行うものではありません。症状には個人差があり、痛み・急な変化・強い不安がある場合は、医師や医療機関にご相談ください。