「外で転んだらと思うと出かけられない」「また骨折するのが怖い」——骨折が落ち着いたあとも、外出にこわさを感じて家にこもりがちになる方は少なくありません。これは自然な気持ちですが、外出の機会が減ると足腰の力やバランスが落ち、かえって不安が強まることもあります(個人差があります)。
この記事では、骨折後に外出が怖くなる理由と、再び転ばないための考え方、外出を少しずつ取り戻していく進め方を、理学療法士の視点でわかりやすく整理します。
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骨折後に外出が怖くなるのはなぜ?
骨折のあとに外出がこわくなる背景には、体の変化と心の動きの両方が関わります。
- 動かなかった時期の筋力・バランスの低下:安静やギプスの期間に足腰の筋力やバランスが落ち、以前のように歩ける自信が持ちにくくなります。
- 痛みへの不安:「動かすとまた痛むのでは」という気持ちから動きが小さくなり、ぎこちなさが外出への迷いにつながります。
- また転ぶのではという恐怖:転倒と骨折の「ヒヤッ」とした記憶が予期不安となり、段差や人混み、雨の日などを強く意識してしまいます。
- 外は環境が変わりやすいという心配:家の中とちがい、外は路面の凹凸や人の流れが読めず、コントロールしにくいことが不安を大きくします。
「怖い」という気持ちは、体を守ろうとする自然な反応です。一方で、外出を避け続けると体の力がさらに落ち、不安がふくらむ悪循環に入りやすくなります。大切なのは、この恐怖を無理に押し込めることではなく、再び転ばないための工夫を一つずつ重ねながら、「これなら大丈夫」という安心の範囲を少しずつ広げていくことです。体の力と自信は、小さな成功体験を通じて、ゆっくりと戻っていきます。
自宅でできるリハビリ
下肢の筋力を保つ運動
椅子からの立ち座りの練習や、つかまって行うかかと上げ、太もも・お尻を支える運動などが用いられます。外を歩くための土台となる足腰の力を、痛みの出ない範囲で無理なく保つことを目指します。回数を競うより、ゆっくりとした動きを丁寧に行うほうが、安全に続けやすくなります。
バランスと歩行の練習
手すりや家具で支えながらの片足立ちや、安全な動線での歩行練習が用いられます。家の中で「支えがあればこれだけ歩ける」という感覚を積み重ねることが、外出への自信を支える助けになります。転倒に十分注意し、見守りのある状況で行ってください。
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外出を少しずつ取り戻す進め方
外出は一気に元に戻そうとせず、段階を踏んで広げていくと、こわさをやわらげながら進めやすくなります。
- 家の中から:まずは室内で立つ・歩く・向きを変える動きに慣れ、「できた」を積み重ねます。
- 玄関先・敷地内へ:玄関の上がり框や門までなど、短い距離から外気に触れる時間をつくります。
- 近所の平らな道へ:天気のよい日に、ベンチなど休める場所のある近い道から。慣れてきたら距離や時間を少しずつ延ばします。
- 目的のある外出へ:近くの店やポストまでなど、「行く理由」のある短い外出を取り入れると、自然と外出の機会が保ちやすくなります。
再び転ばないための考え方として、「人と比べない」「焦らない」ことも大切です。以前と同じ距離やスピードを急に目指すのではなく、今日の自分が安心して動ける範囲を起点に、一段ずつ広げていきます。雨や雪の日、体調のすぐれない日は無理をせず休む——その判断ができること自体が、転倒予防の一部です。
必要に応じて杖やシルバーカーを使い、はじめは付き添いのある状況で進めると安心です。脱げにくく、かかとが固定される靴を選ぶことも転倒予防に役立ちます。体調や痛みに注意し、無理だと感じた日は引き返してかまいません。少しずつでも続けることが、外出の自信を保つ支えになります(個人差があります)。
こんなときは医療機関へ
骨折した部分の痛みや腫れがぶり返す、力が入らない・体重をかけられない、強いふらつきやめまいが続く、転倒を繰り返す——このようなときは、自己判断せず、早めに医療機関にご相談ください。外出への不安が強く、気持ちが沈んで動けない状態が続くときも、専門職に相談することが助けになります。
ご自宅でのリハビリを続けたい方へ
「一人で外を歩くのは不安」「自分に合った進め方で外出を取り戻したい」——そんなときは、理学療法士がご自宅にうかがう自費の訪問リハビリという選択肢があります。Avensでは、お一人おひとりの状態や生活に合わせて、無理なく続けられる運動と外出の段階的な進め方を一緒に組み立て、安心して出かけられる毎日を支えることを目指します。
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よくある質問
Q. 骨折後、外出が怖くて家にこもりがちです。どう進めればいいですか?
A. まずは家の中で支えながら歩く練習を重ね、玄関先、近所の平らな道へと段階的に広げていくとよいでしょう。杖や付き添いを活用し、無理のない範囲で「できた」を積み重ねることが自信につながります。個人差がありますので、不安なときは専門職にご相談ください。
Q. また転ぶのが怖いのですが、どうすれば再転倒を防げますか?
A. 足腰の筋力やバランスをやさしく保つ運動に加え、脱げにくい靴をはく、足元の段差や滑りやすい床を見直すといった環境の工夫が転倒予防に役立ちます。必ず防げるわけではありませんが、体と住まいの両面から備えることで負担を減らすことを目指せます。
執筆
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断や治療を行うものではありません。症状には個人差があり、痛み・急な変化・強い不安がある場合は、医師や医療機関にご相談ください。