「何もない所でつまずいた」「家の中なのにふらつくことがある」——外よりも安心なはずの自宅で、ヒヤッとした経験はありませんか。実は高齢の方の転倒の多くは、住み慣れた家の中で起きています。長年暮らした家ほど「大丈夫」という思い込みがあり、小さな危険に気づきにくいものです。
この記事では、理学療法士の視点から、家の中でつまずき・ふらつきが起こる理由を「体」と「環境」の両面から整理し、自宅で安全に歩き続けるための見直しポイントをまとめます(体の状態には個人差があります)。
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家の中でつまずく・ふらつく理由(体の側)
- つま先の上がりにくさ:すり足気味になると、わずかな段差やカーペットの縁にも引っかかりやすくなります。
- 脚の筋力・バランスの低下:よろけたときに立て直す力が弱くなります。
- 視力・暗さへの適応の変化:夜間や薄暗い場所で足元が見えにくくなります。
- 急ぐ場面:電話や来客、トイレなど「急ぎ」の瞬間に転倒は起こりやすくなります。
家の中でつまずく・ふらつく理由(環境の側)
転びやすい場所には共通点があります。ご自宅を歩きながらチェックしてみてください。
- 敷物・カーペットの縁:めくれ・ずれは代表的なつまずきの原因です。滑り止めで固定するか、思い切って外すのも方法です。
- 電気コード・床の物:通り道のコードや新聞・雑誌は動線の外へ。
- 敷居などの小さな段差:目立つ色のテープで「見える化」するだけでも意識しやすくなります。
- 暗い廊下・夜の動線:足元灯や人感センサーライトで、夜のトイレへの道を明るく保ちます。
- スリッパ・靴下:脱げやすいスリッパや滑りやすい靴下は、かかとのある室内履きや滑り止め付き靴下への変更が安心です。
健康長寿ネット(転倒予防)でも、こうした住環境の整備と運動を組み合わせて備えることが紹介されています。
自宅でできる支え方
体を整える運動
椅子からの立ち座り、つかまり片脚立ち、そしてつま先を上げる練習(座って、かかとを床に着けたままつま先をゆっくり上げ下げする)は、家の中の歩行を支える基本の運動です。つかまれる場所のそばで、無理のない回数から、痛みが出ない範囲で続けてください。健康長寿ネット(高齢者の運動)でも、無理なく続けられる運動の大切さが紹介されています。
歩き方・過ごし方の工夫
急がないことが最大の転倒対策です。電話は焦って取らない(かけ直せば十分です)、立ち上がったらひと呼吸おいてから歩き出す、夜は照明をつけてから移動する——こうした小さな習慣が、体の対策と同じくらい大切な備えになります。家の中でも杖や手すりを使うことは、決して「大げさ」ではありません。
こんなときは医療機関へ
つまずきやふらつきが急に増えた、めまいを伴う、片側の脚だけ引っかかる感じがある、実際に転んで頭を打った——そのような場合は、まず医師や医療機関にご相談ください。神経や耳、薬の影響など、運動だけでは対応できない原因が背景にあることもあります。リハビリは診断や治療に代わるものではなく、医療と役割を分けながら活用することが大切です。
Avensでできるサポート
Avensは、理学療法士が運営する自費訪問リハビリサービスです。東京都板橋区を中心に、ご自宅へお伺いし、ご本人の身体状態とご希望に合わせたリハビリを行っています。訪問だからこそ、実際の廊下・居間・寝室からトイレまでの動線を一緒に歩いて確認し、体の運動と住まいの工夫の両面から、安全に歩き続けられる暮らしを目指せます。
家の中の歩行に不安がある方へ
「家の中でつまずくことが増えた気がする」「どこを直せばいいのか分からない」——そんなときは、まずお話を聞くところから始めていただけます。Avensでは、お一人おひとりの体の状態と住まいに合わせて、無理のない備えを一緒に組み立てます。
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よくある質問
Q. スリッパはやめたほうがよいですか?
A. 脱げやすいスリッパはつまずきの原因になりやすいため、かかとまで覆われた室内履きや滑り止め付き靴下のほうが安心とされています。履き物を変えるだけでも転倒への備えになります。足の形や感覚には個人差があるため、合わないと感じたら専門職にご相談ください。
Q. 家の中でも杖を使ってよいのでしょうか?
A. もちろんです。家の中の杖や手すりの使用は「弱った証拠」ではなく、活動を保つための道具です。ただし、家具につかまり歩きをしている場合は配置の見直しも必要です。動線に合わせた道具選びは専門職に見てもらうと確実です。
執筆
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断や治療を行うものではありません。症状には個人差があり、痛み・急な変化・強い不安がある場合は、医師や医療機関にご相談ください。