退院して自宅での生活が始まったあと、「立ち上がったときにフラッとする」「頭がぼうっとしてめまいがする」「歩き出すと足もとがおぼつかない」——そうした立ちくらみ・めまいに戸惑うご本人やご家族は少なくありません。入院・手術という大きな出来事のあとは、体力や自律神経、水分のバランスなどがまだ整いきっていないことが多く、めまい・立ちくらみが起こりやすい時期でもあります。
この記事では、退院後にめまい・立ちくらみが起こりやすい一般的な背景を整理し、自宅でできる無理のない対処と転倒予防の工夫、そして「これはすぐ受診したほうがよい」というサインを、理学療法士の視点からやさしくまとめます。めまいの背景には重い病気が隠れていることもあるため、気になる症状があるときは自己判断せず、早めに医療機関にご相談ください。
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退院後にめまい・立ちくらみが起こりやすいのはなぜ?
めまいや立ちくらみには、いくつもの要因が重なっていることが少なくありません。退院後によく挙げられる一般的な背景には、次のようなものがあります。ここで紹介するのは一般的な情報であり、原因を特定するものではありません。
急に立つと血圧が下がる(起立性低血圧)
横になった姿勢や座った姿勢から急に立ち上がると、一時的に血圧が下がり、脳への血流が追いつかずにクラッとすることがあります。これは「起立性低血圧」と呼ばれる状態で、入院中に横になって過ごす時間が長かったあとは起こりやすいとされています。
入院中の安静による体力・自律神経の変化
入院中の安静や活動量の低下によって、退院後は体力や筋力、そして血圧を調整する自律神経の働きが一時的に鈍っていることがあります。久しぶりに体を起こしたり動いたりすると、体がうまくついていかず、めまい・ふらつきを感じやすくなります。
水分・食事の量の変化
食欲が戻らない、暑い時期に汗をかく、といった理由で水分や食事の量が不足すると、脱水気味になって立ちくらみにつながることがあります。「のどが渇いた」と感じにくくなっている方もいるため、気づかないうちに水分が足りていないこともあります。
お薬の影響
血圧を下げるお薬や、睡眠・精神面に関わるお薬などの中には、副作用としてめまい・ふらつきが出やすいものもあります。退院後にお薬が変わった方で気になる症状があるときは、自己判断で中止したり量を変えたりせず、必ず主治医や薬剤師にご相談ください。
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自宅でできる無理のない対処
原因が何であっても、日常生活の中で意識できる基本的な工夫があります。無理をせず、できる範囲から取り入れてみてください。
起き上がり・立ち上がりは「ゆっくり・段階的に」
朝起きるときや椅子から立つときは、いきなり動かず「一拍おく」ことが大切です。寝た状態からなら、いったん座り、座った姿勢で少し足を動かしてから立つ、という段階を踏むと、血圧が急に下がりにくくなります。立ち上がった直後にフラッとしたら、無理に歩き出さず、手すりや家具につかまって落ち着くまで待ちましょう。
こまめな水分補給
のどの渇きを感じにくくなっている方もいるため、時間を決めてこまめに水分をとることを意識しましょう。ただし、水分や塩分の制限の指示が出ている方は、主治医の指示を優先してください。
活動量は少しずつ戻す
「早く元の生活に戻さなければ」と一気に動こうとすると、かえってふらつきや強い疲れにつながることがあります。短い時間の家の中の歩行から始め、体調をみながら少しずつ活動量を戻していくことが、無理なく体を慣らすコツです。適度に体を動かすことは心身の回復に役立つと考えられています(健康長寿ネット「運動の効果」参照)。効果には個人差があり、体調や治療の状況によって適した内容は異なります。
転倒を防ぐ住まいの工夫
めまいや立ちくらみがあるときは、転倒のリスクが高まります。足もとの電気コードや段差、滑りやすいマットを整理し、ベッドわき・トイレ・廊下などに手すりがあると安心です。夜間は足もとが見えるように小さな明かりをつけておくこと、起きてすぐに動かずひと呼吸おくことも、転倒予防に役立ちます。
リハビリの視点でできること
めまい・立ちくらみそのものの診断や治療は医療機関で行うものですが、理学療法士によるリハビリでは、ふらつきと生活の折り合いをつけるためのお手伝いができます。たとえば、起き上がり・立ち上がりの動作を安全に行う練習、体調に合わせた少しずつの活動再開、体力やバランスを整える運動、転倒しにくい動き方や住まいの工夫のご提案などです。めまいの程度や原因によって適した進め方は異なるため、主治医の方針を確認しながら、無理のない範囲で進めていきます。
すぐに医療機関へ相談したいサイン
退院後の一時的な立ちくらみは、体が生活に慣れるにつれて和らいでいく方も多くいらっしゃいます。一方で、めまいの背景に、脳や心臓などの病気が隠れていることもあります。次のような様子があるときは、我慢せず、早めに医療機関を受診してください。
- 激しい頭痛を伴うめまい、これまで経験したことのない強いめまい
- ろれつが回らない・顔や手足のしびれ・片側の手足に力が入らない・物が二重に見える(脳卒中などのサインのことがあります)
- 意識が遠のく、繰り返し失神する
- 強い動悸や胸の痛み、息苦しさを伴う
- めまいやふらつきで転倒した・頭を打った
- めまいが何日も続く、だんだんひどくなる、日常生活に支障が出ている
とくに、突然のろれつの乱れ・手足のまひ・激しい頭痛などがあるときは、ためらわず救急要請(119番)を含めて早急な対応が必要です。こうした脳卒中のサインについては、公益社団法人 日本脳卒中協会の市民向けページでも紹介されています。判断に迷うときも、まずはかかりつけ医に相談することをおすすめします。症状には個人差があり、めまいの診断・治療は医師が行います。
Avensでできるサポート
Avensは、理学療法士が運営する自費訪問リハビリサービスです。めまい・立ちくらみそのものの診断や治療は行いませんが、退院後に「動くとふらつく」「転ぶのが怖くて活動が減ってしまう」といったお悩みに対し、身体面・生活面から次のようなサポートを行っています。
- 起き上がり・立ち上がり・歩行を安全に行うための動作の練習
- 体調に合わせた、無理のない活動量の調整と段階的な再開
- 体力・筋力・バランスを整える運動の提案
- 転倒しにくい住まいの工夫・手すりの位置などのアドバイス
- ご家族への見守り方・声かけのアドバイス
- 必要に応じて、主治医やケアマネジャー、医療機関との連携
Avensは、東京都板橋区を拠点に、北区方面や埼玉県南部(戸田市・蕨市・川口市・和光市方面など)を中心としたエリアにもご自宅へお伺いしています。対応可能エリアの詳細はお気軽にお問い合わせください。「何から始めればよいか分からない」という段階のご相談も歓迎しています。話を聞くだけでも大丈夫です。
まとめ・相談案内
退院後のめまい・立ちくらみは、起立性低血圧や体力・自律神経の変化、水分不足、お薬の影響などが重なって起こることが多く、生活に慣れるにつれて和らいでいく方もいらっしゃいます。起き上がり・立ち上がりをゆっくり行い、こまめな水分補給と段階的な活動再開、転倒を防ぐ住まいの工夫を心がけることが、安心して体を慣らしていく助けになります。ただし、激しい頭痛やしびれ、繰り返す失神などを伴うときは、我慢せず早めに医療機関を受診してください。
Avensでは、退院後の生活やふらつきに不安を抱える方やご家族のご相談を受け付けています。「自分の場合はどう進めるとよいだろう」という段階でも構いません。LINEから気軽にメッセージをお送りください。
初回の訪問・体験は無料です(ご相談・お問い合わせももちろん無料)。ご本人・ご家族どちらからでも、相談だけでも大丈夫です。理学療法士が直接お返事します。
よくある質問
Q. 退院後の立ちくらみは、そのうち自然に治りますか?
A. 体が生活に慣れるにつれて和らいでいく方も多くいらっしゃいますが、経過には個人差があります。めまいが何日も続く、だんだんひどくなる、頭痛やしびれを伴うといった場合は、我慢せず医療機関にご相談ください。
Q. 立ちくらみを起こさないために、自宅で気をつけることはありますか?
A. 起き上がりや立ち上がりは一拍おいてゆっくり行い、こまめな水分補給を心がけましょう(水分・塩分の制限の指示がある方は主治医の指示を優先してください)。活動量は一気に増やさず、短い歩行から少しずつ戻していくと無理がありません。
Q. どんなときにすぐ受診したほうがよいですか?
A. 激しい頭痛を伴う、ろれつが回らない・手足がしびれる・力が入らない、繰り返し失神する、転んで頭を打った、といったときは早めの受診が必要です。突然のまひや激しい頭痛などは、ためらわず救急要請を含めて早急に対応してください。
執筆
最終更新:2026年10月14日
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断や治療を行うものではありません。めまい・立ちくらみには個人差があり、背景に重い病気が隠れていることもあります。症状が強い・長引く場合や、激しい頭痛・手足のしびれ・ろれつの乱れ・繰り返す失神などを伴うときは、我慢せず医師や医療機関にご相談ください。めまいの診断・治療は医師が行います。